初回認定日・2

時計を見たら、9時7分くらいだった。

ちょうど青い箱の前に座れた。そこは室内を見回しやすかったので、私は様子をうかがうことにした。向かいにはカウンターがあって、その内側では、ハローワークの職員たちが、なにやらうろうろと仕事をしている。先日の説明会で壇上に上がっていた男の人もいた。メガネだったので覚えていたのだ。私はメガネの男性が好きだ。

カウンターには仕切りがあって、職員と失業者が向かい合って、それぞれなにやらやりとりをしている。

職員の男女比はほぼ半々くらい。若い人もいれば中年の人もいた。制服ではなく私服であり、その服装に脈絡がないように思った。この人たちがお店にいて、集団で飲み会をやっていたら、職業を当てるのが難しそうだと思った。ただ、全体的に人見知りタイプが多い気がした。これは、私自身が人見知りで、どうも同じ匂いを感じたからであって、なんの根拠もない。

ぼんやりしていたら、部屋の中ほどで、ひとりの男性職員が大きな声で、「次回の認定日は、連休があるので、通常とはちがって……」などと説明をし始めたが、おそらくそれは8:30〜9:00の人たちに対してであり、自分に関係のないことだと思って、あまり注目しなかった。

仕事を探していると思われる女の人とその子どもなどを観察しているうちに時間が経った。9時26分くらいに、私の名前が呼ばれたので、カウンターの女性職員のもとへ向かった。