明日からお盆休みで好きな同僚に会えない

さいきん、好きな同僚から、マンガやCDを借りている。マンガは、エースをねらえ! で、CDは鬼塚ちひろのアルバムだ。両方とも、なかなかにステキで、好きな同僚から借りているという点を抜きにしても、大変よろこばしい現象なのである。


貸してくれたものを返すときに、お礼に何かちょっとしたプレゼントを添えるのはとても自然だし、相手が喜んでくれる可能性は高い。好きな同僚は、ほとんど毎朝、ペプシを飲んでいる。だから、ペプシをあげたいと思った。


しかし、昨日、マンガを返すときに、ペプシを添えることを、私は躊躇した。もしかして、それは過剰行為なのではないか? 私が好きな同僚を好きだってばれてしまって、相手に迷惑なのではないだろうか?


ぐるぐる考えた末、私は、回り道して立ち寄ったコンビニで、自分の飲み物だけを買った。そして、なにも添えないまま、マンガを返した。とても後悔した。


それで、今朝こそは! と決意し、二日連続で、出勤前に回り道してコンビニに立ち寄った。少しの逡巡のあと、ペプシを手に取った。すごくどきどきした。お金を払うのも緊張したくらい。


職場に入る直前、ちらりと、とても小さな好きな同僚が、こちらに向かって歩いている姿が見えた。


ちょっとゆっくり歩いたら、もしかしたら、エレベーターで一緒になれるかもしれないな、って思いながら、手にもってるペプシが重過ぎて、早足で、1人でエレベーターに乗りこんだ。


職場についてちょっとしたら、、好きな同僚のだるそうなおはようございますが聞こえたので、顔を上げずに、おはようございますって言った。そしたら、「あっ!」って大きな声がして、「続きもってくるの忘れた」って言われた。私のこと見て思い出したみたいだった。「別にいいです」という、おもしろくもかわいくもない、至極つまらない返し方をしてしまった。内心は、すごくうれしかったんだけど。


マンガは、続きを借りてからもう一度読みたくて、まだ返したくなかったから、CDだけを返すことにしていた。


デスクでごそごそしている好きな同僚に、「これ、CDとお礼のペプシです」って言って、袋を机の上に置いたら、視線をそらされたたまま、「え、もう(ペプシ)買ってあるんだけど」って、むっとした声で文句を言われた。想定の範囲内だったので、「冷蔵庫にいれて冷やしておいて、あとで飲めばいいじゃないですか」って言い返した。案の定すぎた。ありがとうって言われなかったし、ちっとも喜ばれなかった。予想通り過ぎて、まったくどきどきしなかった。むしろほっとした。


明日からお盆休みで、好きな同僚に会えない。さみしい。